冬に多い病気
冬に多い病気といえば、かぜ。特に、ロタウイルス性下痢症(乳幼児嘔吐下痢症)、インフルエンザとRSウイルス感染症は、
冬に流行します。というのも、これらの原因になるウイルスは、乾燥と寒さが大好きだからです。
冬の風邪は、高熱やひどい下痢、嘔吐といった症状が多いです。また、せきや鼻水など、呼吸器系の症状がでることが多いのも、特徴です。
ロタウイルス性下痢症(乳幼児嘔吐下痢症)
灰色から白っぽい粘土のような下痢のうんちと、激しい嘔吐が特徴です。
2~3日の潜伏期間の後、激しい嘔吐(1日5から6回)と、激しい下痢が起こります。
また、高い熱がでることがあったり、下痢をせず、吐き気だけ…という場合もあります。
熱は多くの場合半日で平熱となります。
下痢の症状は通常3~8日続きますが、乳幼児では1週間以上長引くことがあります。
激しい嘔吐や下痢に発熱も加わることで、急に身体の水分が少なくなってしまいます。
特に小さいお子さんは、脱水症状に気をつけましょう。
脱水症状を見分けるポイントは次の4つです。
- 唇が乾いて、かさかさしている。
- おしっこの量や回数が減る。
- 顔色が悪く、泣き声が弱々しくなり、ぐったりしてくる。
- 呼吸が苦しそう。
赤ちゃんにこのような様子が見られたら、できるだけ早く受診してください。
治療法
ロタウイルスなどに直接効くお薬がないので、熱や頭痛、下痢などの症状を和らげる対症治療をして、病気が治るのを待ちます。
インフルエンザ
急に来る寒けやだるさと、3~7日続く高熱が特徴です。
予防接種で感染&重症化を防ぐ
1~2日の潜伏期間の後、突然、寒け、高熱、頭痛、関節や筋肉痛、だるさなどの症状があらわれるのが典型的な例です。 激しい咳がでることも多いです。熱は40℃近くまで上がることもあります。
だるさなどの症状は3~4日で治まり、多くの場合、熱も含めて1週間前後で治ります。
ただ、インフルエンザは非常に強いウイルスで、気管支炎や肺炎、中耳炎を併発することがあるので注意しましょう。
インフルエンザウイルスは、とても感染力が強いので、完全に防ぐのは難しいのですが、予防接種で重症化してしまう
ことを防ぐことができるといわれています。かかってしまっても、比較的軽い症状で済ますことができるよう、
流行時期の前に、ワクチン接種をしておきましょう。
インフルエンザ予防接種へ
治療法
抗ウイルス剤を、感染初期に使うことで、高熱が続く期間を短く出来ると言われています。 また、体力が低下したところに、細菌によって他の病気にかからないように、抗生物質を処方することもあります。
RSウイルス感染症
乳幼児は特に注意!風邪と同じ症状ですが、小さい子は重い肺炎の原因になりやすいです。
4~5日の潜伏期間のあと、38~39度の発熱や鼻水、せきなど普通のかぜの症状が出ます。
ただ、症状が悪化すると肺炎や細気管支炎など重症化しやすいので注意が必要です。
はじめてRSウィルスに感染した乳幼児の3人~4人に一人が細気管支炎・肺炎になりかけ、100人に1人くらい の割合で入院が呼吸困難などで入院しています。入院が必要になる子どもの多くは、生後半年未満の赤ちゃんです。
- 38度以上の熱がある。
- 呼吸が苦しそう。呼吸が浅い。
- ゼイゼイ、ヒューヒューと息が荒い。
- 発病後、数時間で急激にぐったりする。
赤ちゃんにこのような様子が見られたら、できるだけ早く受診してください。
治療法
ほぼ100%の子どもが、2歳までに1度はRSウィルスに感染すると言われているほど、感染力が強いです。
ただ、RSウィルスに直接効くお薬はないので、熱やセキなどの症状を和らげる治療をして、病気が治るのを待ちます。 通常は、数日~1週間で治ります。